まだここがゴールじゃないと言い切る理由
12年間、世界王座を守り続け、4本のチャンピオンベルトを保持する井上尚弥選手。
その井上選手と、無敗のまま駆け上がってきた中谷潤人選手との頂上対決を、ライブビューイングで観戦した。
正直、試合前から独特の緊張感があった。
「もしもの可能性」は、挑戦者である中谷選手にある。
だからこそ、ワンチャンを狙って前に出続ける中谷選手と、それをことごとく跳ね返す井上選手の攻防は、最初から最後まで息をのむ展開だった。
結果はチャンピオンの判定勝利。
だが、「ここまでチャンピオンに迫った選手は初めてだったのではないか」と思わせるほどのナイスファイトだったのも事実だ。
中谷選手の覚悟と完成度がなければ、あの空気は生まれなかっただろう。
試合後、井上選手は
「昨年から5試合目のビッグマッチで、少し休みたい」
と漏らしながらも、会見でははっきりと
「まだここがゴールじゃない」
と言い切った。
このコトバっていったい何なのか、、、
地位も名声も名誉も、そして財産も、すでに積み上げるだけ積み上げている。
ここから先は、やればやるほど「負け」がつくリスクだけが高まる世界だ。
前人未到の道を進めば、称賛と同時にヘイトも必ずまとわりつく。
普通なら、「もう十分だろう」と自分自身が思ってしまうのは自然なことだ。
それでも、尚さらに進みたいと言い切るモチベーションは、どこから来るのだろうか。
まず間違いなく言えるのは、
ボクシングそのものが本当に好きだということ。
これは大前提だと思う。
そして、もう一つは「拘り」なのか、、、
「ここまで来たから、もういいんじゃないか」という一般論に従うのではなく、
「俺はこうしたいんだ」
という、ある種の自己顕示欲にも近い意地 自分がこうしたいには一般論は関係ない、、、あくまでも自分のモノサシによるのだ
場合によっては、ヘイトですらエンジンになるのかもしれない。
「まだまだこんなもんじゃないんだよ」
「見ててくれよ」
そんな無言のメッセージを、リング上で叩きつけているように見える。
井上尚弥選手は、「人間はどこまでも行ける」ということを、リングで証明し続けている。
だからこそ、見ているこちらも、ただの観戦者ではいられなくなる。
自分はどこまで行こうとしているのか。
まだ「ここがゴールじゃない」と言える場所に立っているのか。
そんな問いを、自然と突きつけられた一夜だった。
このあり方に触れて、触発されないわけがない。
ここがゴールではない ここまでは想定内だと言っておこう
well being それではまた!!