「今日」を積み上げるということ
細かな計算をせずに、ただ今日を積み上げる。
言うのは簡単だが、実際にはなかなか難しい。
もちろん、何の制度設計もせず、行き当たりばったりで進めばいいと言っているわけではない。スタート前には考えるべきことがある。方向性を決め、最低限の枠組みを整える。それは大切だ。
ただ、一度スタートを切った後まで、ずっと先の結果を細かく計算し続ける必要があるのかというと、そうではない気がしている。後ろを振り返ってばかりいても前には進めないし、先を見すぎてフワフワしながら細かな算段を重ねても、結局は手が止まってしまう。
それよりも、今と向き合い、今を刻む。
あまりに当たり前で、つい忘れてしまいがちなこの姿勢を、娘の姿から改めて教えられた。
彼女は美容師の見習い、いわば修行の身だ。朝から晩まで、とにかく働く。正直、今どきの働き方とは言えないのかなと。実際に、周囲では一人辞め、また一人辞めていく、、、そんな状況でも、彼女自身は特に何かを嘆くわけでもなく、淡々と、そして一生懸命に毎日を過ごしている。
そこにあるのは、「この働き方にどんな意味があるのか」「この先どうなるのか」といった問いを、いちいち自分に突きつける姿ではない。ただ、目の前の仕事と向き合い、今日できることをやり切る。その積み重ねを、どこか楽しんでいるようにも見える。
意義を求めない、というよりも、今に没頭している。
雑念が少なく、純粋だ。
コンサルタントという仕事柄、どうしても中長期だの、数値だの、戦略だのに目が行く。もちろんそれは必要だし、価値でもある。ただ、そればかりを追いかけていると、「今日」という単位が抜け落ちることがある。
今日を大切にできない人が、未来を大切に扱えるとは思えない。
未来は、今日の集合体でしかないからだ。
細かな計算は、進みながら微調整すればいい。
まずは今と向き合い、今を刻む。
その先に、結果は自然とついてくる。
そんな当たり前のことを、娘の背中から静かに教えられた一日だった