投票用紙は「ゴミ」か資源か
――選挙の裏側で進むリサイクルの実態
2026(令和8)年2月8日に行われた第51回衆議院議員総選挙。全国で膨大な数の投票用紙が使用されたが、それらは選挙後すぐに処分されるわけではない。
公職選挙法により、投票用紙は当選者の任期中、厳重に保管される。文書庫で施錠管理され、機密文書として扱われるためだ。そして任期満了後、ようやく処分が可能になる。
従来、その多くは焼却処分されてきた。しかし投票用紙には「ユポ紙」と呼ばれるプラスチック系素材が使われており、本来は資源として再利用できる特性を持つ。
焼却からリサイクルへの転換
こうした中、さいたま市では投票用紙のリサイクルを導入。選挙ごとに約150万~250万票を再資源化している。背景には、SDGs対応とCO2排出削減の狙いがある。
連携先は、選挙管理システム研究会(NPO)。全国100以上の自治体と連携し、20年以上にわたり投票用紙リサイクルを実践してきた専門組織だ。
投票用紙は、機密性確保のもと回収され、粉砕・溶解を経てペレット化される。この原料は物流用パレットや農業資材などに再利用される。
環境効果も大きい。焼却と比べ、CO2排出量は約10分の1に削減される。
制度が後押しする拡大フェーズ
2022年の法改正により、プラスチック資源循環が政策的に強化され、投票用紙の処分費も選挙経費として計上可能になった。これを機に導入検討が全国で進み、短期間で多数の自治体が関心を示している。
MEi CONSUL視点
本質は、「当たり前」を見直した点にある。
特に目新しいスキームではなく、、、難処理古紙のスキームにおいてはあったもので昔から焼却にしていた、、、で進んだに過ぎない
投票用紙=焼却という固定観念を外すことで、環境負荷と行政コストの両面に価値が生まれた。これは単なるリサイクルではなく、公共領域における資源循環モデルの実装だ。
見えないところにこそ、変革の余地はある。
一枚の投票用紙が、社会の持続可能性を変え始めている。