前日の記事を読みながら、現場に関わる者として一つ感じることがある。
それは、紙リサイクルの普及を目指す一方で、「雑がみ」と「禁忌品」の区分が住民にとって非常に分かりにくくなっていることだ。
一般的に家庭から出る紙は、
- 新聞・雑誌・段ボールなどの古紙
- 紙箱や封筒、紙袋などの雑がみ
- レシートなどの感熱紙
- ラミネート加工紙
- 洗剤の箱
- 線香や洗剤など香りの強い商品の箱
といった禁忌品
という分類になる。
しかし実際の家庭で考えてみると、これらを一つひとつ見分けながら分別することは決して容易ではない。
ましてや自治体の回収現場で、禁忌品だけが大量にまとまって排出されるケースはほとんど想定しにくい。
現状では「これは出してはいけない」という情報が先行し、その結果として住民が判断に迷い、
「面倒だから燃えるごみに入れてしまおう」
となることも少なくない。
本来であれば資源化できる雑がみまで一緒に可燃ごみへ流れてしまうのである。
もちろん製紙原料として見れば、感熱紙やラミネート紙はパルプ歩留まりが低く、再生工程で扱いにくいことは理解できる。
しかし近年では製紙技術や選別技術も向上し、一部の禁忌品については他の古紙と混合して使用したり、用途を限定した再生原料として活用したりする事例も増えている。
そうであるならば、従来の「禁忌品だからダメ」という考え方だけではなく、
「においの強いもの以外は許容する」
「多少混入しても回収を優先する」
といった実態に即した運用を検討する時期に来ているのではないだろうか。
資源循環で最も避けるべきなのは、再生利用可能な紙まで含めて可燃ごみとして焼却してしまうことである。
分別基準を厳しくすることで回収量が減るのか、それとも多少の混入を許容してでも回収量を増やすのか。
これからの紙リサイクルには、品質だけでなく回収率とのバランスをどう取るかという視点も求められている。
「これはダメ」という建前によって多くの紙が燃えるごみに回ってしまうのであれば、それは資源循環という本来の目的から見て本末転倒かもしれない。
雑がみ回収を本気で拡大したいのであれば、住民にとって分かりやすく、参加しやすいルールづくりこそが重要になる。その意味でも、「回収できる紙を広げる発想」は今後さらに議論されるべきテーマだと感じる。