今は「NO DEAL」でいい
歳を重ねるほど、人との関係について考える機会が増える。
昔は白黒をはっきりつけたがるタイプだった。好きか嫌いか、付き合うか付き合わないか、自分の考えを明確に示すことが誠実さだと思っていた。
でも最近は少し違う。考えてみると、「今は特に接触しなくてもいい人」って意外に多い。
決して嫌いなわけではない。むしろ尊敬している人もいるし、お世話になった人もいる。ただ、今このタイミングでは接点がなくてもいいかも、、、そんな相手が結構いる。
特に今の時代はそうなのかもしれない。
SNSがあり、メールがあり、メッセージアプリがある。つながろうと思えばいつでもつながれる。その一方で、無理につながり続ける必要もなくなった。
私はそういう関係を「NO DEAL」と呼んでいる。
「NO DEAL」は「NG」ではない。
絶対に関わりたくないわけでもないし、拒絶しているわけでもない。ただ今は取引なし、接触なし、交差なし。
それだけだ。
中には、自分の色をしっかり出して相手に「違う」と伝えるべき場面もある。
しかし、すべてにおいてそうする必要はない。
わざわざ白黒をつけるために、これまで築いてきた関係を壊してしまうのも違う気がする。
世の中には「今は違う」というだけのことも多い。
今の自分と昔の自分は違う、、、
相手も変わる、、、
環境も変わる、、、
そして明日からもまた変わっていく。
だからこそ、その余地を残しておくことに価値がある。
その余地こそが「NO DEAL」なのだと思う。
無理に色を出さない、、、
積極的に近づかない、、、
だからといって否定もしない、、、
そんな距離感があってもいい。
人によっては曖昧だと言うかもしれない。
でも人生はそんなに単純ではない。
私は個人事業主なので、、、組織の論理ではなく、自分の責任で生きる時間が長い。
少し特異なこの生き方、、、
だからこそ、「なんでこんなことも理解できないんだろう」と感じることがほとんどない。
そもそも前提が違う、、、
見ている景色が違う、、、
置かれた立場が違う、、、
どうであり違って当然なのだ。
だから相手を否定する必要もないし、自分を曲げる必要もない。
ただ今は交わらない。
それだけの話である。
人生は長い。
今年は縁がなくても、来年は一緒に仕事をしているかもしれない。
今は話が合わなくても、数年後にはお互い同じ方向を見ているかもしれない。
だから焦って結論を出さなくていい。
「YES」でも「NO」でもない。
今はただ、
「NO DEAL」
それで十分なことが、実はたくさんある。
あとがき
若い頃は「決断すること」が大切だと思っていた。
しかし歳を重ねると、「決断しないこと」の価値も見えてくる。
無理に関係を深めない。
無理に切らない。
時間に委ねる。
そんな選択肢を持てるようになったこと自体が、少しだけ大人になった証拠なのかもしれない。