「行けるんじゃないか」が危ない
仕事から戻った夕方のこと。
「さて、このままゴルフの練習に行こうか」
そう思いながら冷蔵庫を開け、飲み物を手に取った。
ところが、そこでふと気が付いた。
なんだか体がだるい。
特別に暑い場所で作業をしていたわけではない。炎天下を歩き回ったわけでもない。
それでも妙に力が入らない。
しばらく考えて、その原因はおそらく日中の暑さにあるのだろうと思った。
最近は屋内にいても油断できない。
空調が効いているつもりでも設定温度が高かったり、建物全体の冷房が弱かったりすると、気づかないうちに体は熱をため込み、水分も失っていく。
しかも仕事に集中していると、水を飲むタイミングさえ後回しになる。
問題なのは、そのダメージがすぐに現れないことだ。
炎天下で作業をしていれば、
「今日は暑かったから疲れたな」
と原因がはっきりしている。
だから自然と休もうという気持ちにもなる。
ところが、室内で仕事をしていただけだと、
「少し休めば大丈夫かな」
「ゴルフの練習くらいなら行けるんじゃないか」
そんなふうに考えてしまう。
今回の私もまさにそうだった。
しかし冷静に考えると、その「行けるんじゃないか」が危ない。
体は正直だ。
だるさという形でサインを出しているのに、頭だけが「予定通りに動ける」と判断している。
そこで無理をすると、後になってさらに大きな疲労として返ってくる。
結局、この日はゴルフの練習を見送ることにした。
若い頃なら気合いで行っていたかもしれない。
しかし最近は、休むことも大事な判断だと思うようになった。
頑張ることよりも、自分の状態を正しく把握することの方が難しい。
特に夏はそうだ。
熱中症というと炎天下のイメージが強いが、じわじわ蓄積する水分不足や暑さによる疲労も見逃せない。
はっきりとした不調ではないからこそ、かえって厄介なのだ。
この時期は「行けるかどうか」ではなく、「今日は休んだ方がいいサインが出ていないか」を意識したい。
お盆休みも近い。
せっかくの休みを元気に楽しむためにも、無理をするより、まずはしっかり休む。
そんな選択も悪くないと思う。