スノーボードの平野歩夢選手が、ミラノコルティナオリンピックで語った
「生きて帰ってこれて良かった」
この一言が、胸の奥に強く刻まれた。
出場すら危ぶまれるほどのケガを押して臨んだ五輪、、、
本来なら、身体を休めて回復に専念するべき状態だったはずだ。
それでも彼は、世界最高峰の舞台に立ち、あの状況から7位に食い込んだ。
あのジャンプの高さ、技の難易度、そして一歩間違えば致命傷にもなりかねないリスク、、、
そのすべてを抱えながら、それでも飛んだ。
その結果として出てきたのが、あの言葉。
「生きて帰ってこれて良かった。」
そこには、命を削るような覚悟と、限界の先まで積み上げてきた膨大な時間が滲み出ている。
自分を信じ切れたのか。
積み上げてきたものに裏切られないだけの努力をしてきたのか。
あの短い言葉に、彼のすべてが凝縮されているように感じた。
そして思う。
人間はここまで美しくなれるのか、、、
これは勝敗だけでは到達できない領域だ。
結果だけでは語れない深さだ。
自分のすべてを投じた者だけが纏う、あの静かな美しさ。
安全な場所にいながら「もっとできた」と思っている自分。
逃げ道を残しながら「全力でやっている」と言い聞かせてきた自分。
そんな自分の甘さが、彼の言葉で一気に照らされる。
本気で積み上げた者だけが、自分を信じ切ることができる。
自分を信じ切った者だけが、美しさを纏う。
ミラノコルティナでの平野歩夢選手の一言は、競技の結果を超えて、
“人はどこまで研ぎ澄まされることが出来るのか”
その問いを静かに突きつけてくれた。